医療英語:a とtheの区別を神経質に

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医療英語:a とtheの区別を神経質に

 

医療英語:a とtheの区別を神経質に

 

Mary is a wife of Mr. Brown.
メリーはブラウン氏の妻のひとりである。
Mary is the wife of Mr. Brown.
メリーはブラウン氏の妻である。

 

日本語には英語の冠詞(a, the)に相当するものがないので、日本人はこの小さい言葉の重大性に無神経です。英米人はその名詞が特定のものなのか、任意のものなのかいちいち区別しないと気がすまないわけです。

 

そして特定のものにはthe (= only one)を冠し、任意のものにはan, a(=one among many)を冠して、「ある特定の、ただ一個の、その」、または「不特定多数のうちの一つ」であることを示します。この点、翻訳に当って神経質に気をくばらないといけません。

 

そこで上の例文でa wife とすれば、多勢いる妻たちの一人という意味で、このブラウン氏は五人も妻を迎えたヘンリー八世のような、あるいは六人も妻を殺した青髭男のような、あるいは一夫多妻制度のむかしのイスラム教徒のような人物であるように思われます。

 

一方、the wifeとするとメリーはブラウン氏の(ただ一人の法的な)妻という意味になります。つまりaではMary is one among many wives. であり、the ではMary is the only wife of Mr. Brown.となります。

 

もちろん世間にはいろいろなタイプの妻がいて、Mary is a good wife.(良妻の一人である)とか、Mary is a bad wife.(悪妻の一人である)とかはいえます。この場合はいろいろなタイプの妻のうちの一人ということであるからaを使えます。しかしof Mr. Brown(ブラウン氏の)という言葉が付加されると、メリーさんはただ一人の法的な妻として一人に特定され限定されるのでthe でないといけません。

 

例えばまたI want to employ a man who can speak good English.は<(だれでもよいから)英会話の上手な男性をだれか一人雇いたい>であり、I want to employ the man who can speak good English.は、<英会話の上手なあの男(たとえばGeorgeという)を雇いたい>という意味です。

 

同様にまた、例えばある子どもが本を買ったとします。その子の父親はそのことを何も知らないとします。その場合子どもは父親に向かってThis is a book I bought yesterday. というでしょう。しかし、もし子供がその本を買ったことを父親に話していて、父親もそのことをすでに知っているとすると、その場合は子どもはその本を父親に見せながらThis is the book I bought yesterday. と言うでしょう。

 

つまりa を使うかtheを使うかはその時の情況(話者と聞き手の間ですでに了解済みであるかどうか)によって決まるわけで、関係代名詞によってその意味が限定されているからといって必ずしもtheになるとは限りません。

 

またaとtheとでニュアンスが違うこともあり、例えばAs a result of the two wars, the direction of the current has been dramatically reversed. <二度の戦争の結果であろうか、時勢の流れの方向が劇的に逆転した>のようにas a resultとaを使ってあれば話者のひかえめな気持、つまりほかにいろいろな別の結果も生じたかもしれませんが、これもそういった結果の一つであるといった気持を表しています。

 

これに対して、As the result of the two wars, …..(二度の戦争のまぎれもない結果として・・・)とthe で特定すると話者の断定的な気持ちを表し、これこそ唯一の結果であるという話者の心的態度が微妙に文章に表れています。

 

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