医療英語:代名詞で翻訳調が出てしまう

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医療英語:代名詞で翻訳調が出てしまう

 

医療英語:代名詞で翻訳調が出てしまう

 

日本語では英語のように代名詞を多用しません。「彼女」「彼」のような代名詞は翻訳から日本語に導入されたものであり、英語原文にある代名詞をいちいち訳していたのでは不自然な日本語になります。

 

例えば、
Mary likes English and studies it hard.
メリーは英語が好きで、それ(英語)を熱心に勉強している。
のような固い、一読してitの翻訳だとわかるような日本語はよくありません。正しく美しい日本文としては、この代名詞をできるだけ省いてしまって<メリーは英語が好きで、熱心に勉強している>と訳すか、または名詞を繰り返して<メリーは英語が好きで、英語を熱心に勉強している>と訳すのがよいでしょう。

 

日本語は英語と違い、主語なしの文章が多く、また翻訳調でなければ代名詞の使用も少ないのが普通です。その例として次の日本語訳を見てみましょう。

 

The woman cleared the table and carried the dishes to the kitchen. She set them on the table and stood there for a minute. Then she returned to the dining-room.
女は食卓の上を片付け、お皿を台所へ運んだ。それから皿を台所のテーブルの上に置くと、しばらくそこに立っていた。やがて食堂に戻って来た。

 

英語では三つのセンテンス毎にそれぞれ主語が三度繰り返されています。しかし日本語に翻訳するときは、ニワトリがえさを一つ一つついばむように、sheのところをばか正直に<彼女><彼女>と訳出していたのでは、非常に不自然な日本語になります。

 

日本語では一度初めに女と訳したら、あとは主語を省くのがこなれて自然です。
代名詞が多出する翻訳は自然にこなれた日本語とはいえません。Sheやheやtheyなどの部分は、文意が混乱しない限り一切省いて訳します。あるいはそれらの先行名詞(例えば固有名詞とか、学生たちとか)をはっきりと繰り返すほうが、彼女、彼、彼らなどの代名詞を繰り返すよりも自然な日本語訳になります。このことを示す文例を次に挙げておきましょう。

 

When, I, as a lad, went with Ginsan to Tokyo to study, he was twelve and I was nine. 少年の私が銀さんと一緒に東京へ遊学することになりました時は、銀さんが十二、私が九つでした。   島崎藤村「初旅」

 

代名詞はできるだけ省くように心掛けたいものです。

 

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